日本看護歴史学会第32回学術集会

The 32nd Annual Meeting of Japan Society of Nursing History

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日本看護歴史学会第32回学術集会長
佐々木秀美

第32回日本看護歴史学会学術集会を広島県呉市で開催いたします。

歴史研究は“古きを訪ねて新しきを知る”であります。つまり、現在の起こっていることの課題認識を解決あるいは未来に向かって何をなすべきかについて過去に遡って検証し、その答えを導きだすこと、すなわち、“温故知新”であります。

広島と言えば、平和記念公園内に戦争の傷跡として原爆ドームが厳然として残っており、核兵器被害の悲惨な体験をした歴史的な場所です。平成30年は戦後72周年です。戦争体験者も少なくなっている今日ですが、広島の地で日本看護歴史学会会員の皆様の歴史検証を通して、私たちの日常生活の安寧と幸福実現のために看護ができることは何かを、原点に戻って論じ合える機会になればと考えています。

会員の皆様にはフローレンス・ナイチゲール研究で顕著なご功績を残され、また、現在も研究中の方々が多くおられます。その中で、誠にお恥ずかしい限りではございますが、私の精一杯のナイチンゲール研究を通して感じておりますナイチンゲールの看護のこころ、その心が看護界の隅々まで理解され、看護実践につながっているのかを問う機会あるいはご意見を頂く機会にできればと考え、本年度のメインテーマを「ナイチンゲール看護のこころ今に伝える―看護・福祉思想と教育―」としました。

教育講演には、ナイチンゲールが看護について学んだとされるドイツカイゼルスウェルト学園の現在地に何度も足を運び、看護の歴史研究に貢献された真壁伍朗先生、福祉の立場からは、戦後、カイゼルスウェルト学園のディアコニッセ母の家の方式を導入し、福祉の発展に貢献した浜松聖隷の平井章先生、医療の立場からは、広島県における原爆医療の歴史的変遷を鎌田七男先生、そして教育界からは、科学者は歴史にどう責任を取るかについて、広島文化学園大学の小笠原道夫先生のご講演をしていただきます。

19世紀中庸、ナイチンゲールが創設した看護という仕事、粗悪であった病院看護を良くし、地域の貧しい方々への看護職の地域貢献は、地域の方々が“健康”で幸せに暮らすためのいわゆる地域福祉貢献活動でありました。そこで、教育講演と会員の皆様の多様な歴史研究を通しまして、今日、問われております医療・福祉・教育の協働という言葉の“究理実践”に向けての検証・検討の機会にし、活発な議論ができますことを切に希望しております。

場所は、広島文化学園大学呉阿賀キャンパスでの開催です。呉市は広島駅から呉線で45分のところに位置しております。少々、離れた地域での開催ではありますが、精いっぱい準備をしておりますので、多くの方のご参加をお待ちしております。

開催会場

広島文化学園大学
呉・阿賀キャンパス
広島県呉市阿賀南2丁目10−3

事務局

⽇本看護歴史学会
第32回学術集会事務局

広島文化学園大学看護学部
〒737-0004
広島県呉市阿賀南2丁目10-3
TEL:0823-74-6000
E-mail:
kangorekishi32@hbg.ac.jp

新刊書籍

ナイチンゲ-ル『看護覚え書』

『バイオエシックス その継承と発展』

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